上部消化管内視鏡検査
(胃カメラ)

上部消化管内視鏡検査とは

上部消化管内視鏡検査とは、内視鏡を用いて食道・胃・十二指腸の内部を直接観察する検査です。炎症・潰瘍・ポリープ・腫瘍などを詳しく観察することができます。病変部から組織を採取することで、がんの確定診断に必要な生検病理診断をすることができます。
当協会では、口から挿入する経口内視鏡と、鼻から挿入する経鼻内視鏡検査を行っています。経口内視鏡では鎮静剤を用いた内視鏡検査も受けることができます。鎮静剤を用いることで苦痛が軽減される効果が期待できます。検査による苦痛が心配な方は、予約時に予めご相談ください。

医療機器
ピロリ菌

ピロリ除菌治療について

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)は、胃がん発生と関係が深い慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃ポリープなどの原因となる細菌です。幼児期に感染して、駆除しない限り、人の胃粘膜表面に長く生息しています(図は、ピロリ菌の電子顕微鏡写真です)。日本人の半数は感染しており、特に高齢者では80%近い感染率といわれています。

ピロリ菌を除菌すると、胃・十二指腸潰瘍が治癒し、胃ポリープが縮小・消失するだけでなく、その後の胃がん発生の可能性(胃がんリスク)を約半分に減らすことができるといわれています。そこで、平成25年からは事前の内視鏡検査で慢性胃炎と診断されたピロリ菌感染者は保険により除菌治療が受けられるようになりました。

経口内視鏡

経口内視鏡とは

一般的な内視鏡検査で、口から内視鏡を入れて検査します。内視鏡の外径は8~9mm程度です。検査前にキシロカインという成分が入ったゼリーやスプレーで喉麻酔して、目が覚めた状態で検査します。嘔吐反射が強い方には辛い検査になりますが、検査後に異常がなければすぐに帰宅でき、喉麻酔が切れればすぐに食事もできます。経口内視鏡検査は、経鼻内視鏡検査より画質や処置能力の点で優れているため、より精密な検査や治療を行う際は経口サイズでの内視鏡検査を行います。

経鼻内視鏡

経鼻内視鏡とは

経鼻内視鏡は、鼻から細い内視鏡を入れて検査します。内視鏡の外径は5~6mm程度です。 検査前に鼻腔内の粘膜のむくみを取るお薬と鼻腔、喉を麻酔し、目が覚めた状態で検査します。

検査中も検査医と会話することができて、嘔吐反射が少ないメリットがあります。 鼻腔が狭い方は鼻出血を起こすことがあるので、その場合はご本人と相談の上、経鼻内視鏡から経口内視鏡へと変更になることもあります。

内視鏡検査の画像 内視鏡検査の画像

検査の手順

STEP
01

胃の粘膜をきれいにするお薬を飲みます。

下矢印

STEP
02

経口:喉の痛みや嘔吐反射を抑えるために、ゼリー状の局所麻酔薬を口に含み、喉に直接当たるよう数分間上を向きます。
経鼻:鼻腔内に粘膜のむくみを取るお薬と鼻腔、喉を麻酔します。

下矢印

STEP
03

体の左側を下にして横向きに寝ます。
経口:マウスピースをつけ、飛沫拡散防止のため、簡易マスクで口元を覆います。鎮静剤を注射します
(鎮静剤を使用する場合)。

経鼻:飛沫拡散防止のため、簡易マスクで口元を覆います。

下矢印

STEP
04

内視鏡を医師が徐々に口または鼻から挿入します。喉や肩の力を抜き、ゆっくりと静かに腹式呼吸を繰り返すことで楽になります。

下矢印

STEP
05

検査中は、空気でお腹が張ります。ゲップを出さないように深呼吸を繰り返します。

検査前⽇から当⽇の注意事項

前日

  • 午後8時までに、軽めの夕食を摂ってください。就寝までは、内服薬、水分の摂取はかまいません。 ただし、アルコールは飲まないでください。

検査当日

  • 検査終了までは、食事、喫煙は控えてください。なお、当日朝、コップ1杯程度の水は飲んでもかまいません。
  • 心臓病、高血圧、気管支喘息、てんかんなどのお薬を内服している方は、当日の朝、内服してください。
  • 糖尿病治療中の方は、当日の朝、内服、注射をしないで来院してください。
  • 緑内障、前立腺肥大、心臓病、高血圧、糖尿病、お薬のアレルギーのある方は、必ず看護師にお申し出ください。
  • 血液をサラサラにするお薬を服用している方は、自己判断での内服中止はなさらないでください。必要に応じた生検を行うことはあります。

検査終了後

  • 胃腸の動きを抑える注射薬を使用した場合、お薬の影響でものが見えにくくなることがあります。 このため、2時間から3時間は車の運転、機械の操作などは控えてください。
  • 喉の麻酔が切れる検査後の約1時間は、飲食・喫煙を控えてください。
    ※検査日のご都合が悪くなった場合には、なるべく早くご連絡ください。
    ※組織検査を行った場合、当日は食事、アルコール、運動などの制限があります。

鎮静剤を使用する場合

当協会では、内視鏡検査を伴う際の苦痛や不安を少なくする目的で、
鎮静処置(抗不安剤の静脈内投与)を行う内視鏡検査をご希望の受診者様に行っております。
ご希望の方は、ご予約の際にお申し付けください。

鎮静処置の特徴

薬剤を注射することで、検査時に眠たいような状態となります。
鎮静の効果には個人差があり、体調により異なります。

原則的に鎮静処置を行えない方

次に該当する方は、鎮静処置を行えません。
・75歳以上の方で付き添いのない方
・重症の心疾患・肺疾患・肝障害のある方
・授乳中・妊娠中の方
・重症筋無力症の方
・急性狭隅角緑内障の方(緑内障で手術を予定されている方)
・パーキンソン病でMAO阻害剤(商品名:エフピー®)を内服されている方
・体重100kg以上の方(歩行不安定や転倒の危険への対応が困難なため)

鎮静処置の偶発症
(合併症・副作用)

注射部位の血管痛、刺激興奮、アレルギー、呼吸抑制、血圧低下、悪性症候群、排尿障害などが起こることがあります。
日本消化器内視鏡学会のアンケート調査(2003~2007年の5年間)では、全国で12,563,287検査中167件(0.0013%、8万分の1)の鎮静剤による偶発症と3件(0.000024%、400万分の1)の死亡例が報告されています。
検査中は血中酵素飽和度測定による呼吸モニタリングを行い、安全性にも十分に配慮しながら検査を実施します。
副作用出現時には、迅速かつ適切な対処を行います。

検査後の注意事項

・目覚めを早めるために、鎮静効果を中和する薬剤を注射します。
・30分程度院内で休憩していただき、眠気が覚めてから帰宅していただきます。
・検査当日は、自動車・バイク・自転車の運転はできません。
・検査当日は、重要事に関する判断、危険を伴う作業などは避けてください。
・75歳以上の方は、帰宅の際にどなたかの付き添いが必要です。

Information インフォメーション

〒103-0025
東京都中央区⽇本橋茅場町⼆丁⽬6番12号

東京メトロ⽇⽐⾕線・東⻄線『茅場町』駅より徒歩3分
※『茅場町』駅の2・5・6番出⼝が便利です。

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外来・検査予約

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